雨と美術館(ボストン美術館展にて)

2010年(平成22年)4月17日から6月20日まで六本木の森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催されている「ボストン美術館展」に行ってきた。

実は森アーツセンターギャラリー(要するに六本木ヒルズ)を訪れたのは今日が初めてである。六本木の駅を降りてからはまるで迷路である。女友達と一緒に行ったのだが、彼女がいなければ、間違いなく道に迷っていたとこだろう。ともあれ、無事に目的地に到着。

本日4月23日(金)はあいにくの雨。昨年上旬に上野国立西洋美術館で開催された「ルーブル美術展」に行ったときも雨が降っていたのを思い出す。どうやら私と美術館と雨とに密接な関係があるらしい(?)

早速、私たちはまず3階でチケットを購入。そして係員に案内されエレベーターへと乗り込む。行き先は52階。ほとんど揺れない日本のエレベーターに感動しながら52階へと到着。そしてエレベーターを降り、ギャラリー入り口へと向かった。金曜日の18:00頃に行ったのだが、嬉しいことに(ギャラリー関係者には申し訳ないが)、客はそれほど多くなかった。いや、少ないと言ってもいいくらいである。雨と寒さのせいだろうか?

入り口を入ると、まず展示してあったのがいきなりベラスケスの「スイス・デ・ゴンゴラ・イ・アルゴテ」の肖像画とマネの「ビクトリーヌ・ムーラン」の肖像画であった。出だしからあまりにも贅沢な作品が目に飛び込んできたので、その後に控えている作品たちにも大きな期待をつのらせた。

ギャラリー内はそれほど広くなく、ゆっくり鑑賞しても1時間から1時間30分程度の時間があれば十分であった。今回のボストン美術館展の目玉作品は数多いので、以下に私個人が「目玉」と思う作品を箇条書きにして記載しておこう。

・ゴッホ「オーヴェールの家々」

・ベラスケス「ルイス・デ・ゴンゴラ・イ・アルゴテ」

・マネ「ヴィクトリーヌ・ムーラン」ならびに「音楽の授業」

・ミレー「馬鈴薯植え」ならびに「刈り入れ人たちの休憩」

・レンブラント「ヨハネス・エリソン師」と「妻マリア・ボッケノール」の対作品

・セザンヌ「池」

・ドガ「田舎の競馬場にて」

・モネ「アルジャントゥイユの自宅の庭のカミーユ・モネと子ども」他

・コロー「花輪を編む娘」

・ルノワール「ガーンジー島の海岸の子どもたち」、「睡蓮の池」他多数

・エル・グレコ「祈る聖ドミニクス」

・ピーテル・デ・ホーホ「オランダの家の室内」

などなど、挙げればきりがないが、とにかく素晴らしい作品ばかりで、私はしばし自分の世界にどっぷりと浸っていた。

そもそも私がこの「ボストン美術館展」に行きたかった理由はゴッホの「オーヴェールの家々」が目的であった。もちろん、上記にも挙げたように、数多くの有名な画家たちの作品もあったが、フェルメール好きな私が次に気になる画家、フィンセント・ファン・ゴッホの「オーヴェールの家々」を観るのが今回の目的であった。冒頭でも述べたように、入場客が(嬉しいことに)かなり少なかったお陰で、私はタイミングを見計らって一人でゴッホの「オーヴェールの家々」の前に立ち、まるで自分の所有物のように、数分間、ゴッホを独り占めすることができた。この、ほんの数分こそが私の「贅沢」なのである。

ゴッホには多くのエピソードが残されているのは皆さんもご存知のとおり。南フランス・アルルでのゴーギャンとの共同生活、耳きり事件やサン・レミの精神病院での療養、そしてパリ郊外のオーヴェールに引っ越してきたから約2ヶ月後の自殺。とにかく彼の生涯には惹きつけられる何かがある。自殺にしても多くの説があり、また、他殺ではないかと説を唱える専門家もいる。もちろん真相は闇の中であるが、どちらにせよ、ゴッホは後世にすばらしい作品を残していってくれたことは確かである。そう、彼の作品には優しさと力強さがある。特にオーヴェールに来て2ヶ月の間に描いた作品には彼のエネルギーを感じさせられる。きっとオーヴェールに移り住む前に過ごしたサン・レミの精神病院での療養と、オーヴェールの自然そのものがゴッホに新たな命を吹き込んだに違いないと私は思う。ちなみに、サン・レミの病院に居た頃に描かれた最後の作品といわれている「糸杉と星の道」は私のお気に入りの作品の一つである。

最近、日本では西洋絵画展が頻繁に開催されている。国立新美術館では来月5月末ごろから「オルセー美術館展」が開催される。今からとても楽しみである。なぜなら、ゴッホの「自画像」ならびに「星降る夜」が観られるからである。時を越えて、ゴッホが描いた作品を自分の目で観る事ができる。それだけで嬉しいのである。

最後に、今回の「ボストン美術館展」の図録が当然のことながらミュージアムショップで売られていたのだが、なんと!中身は同じだが、表紙が3種類あった。これは随分と考えたものだ、と思った。表紙はゴッホの「オーヴェールの家々」、モネの「アルジャントゥイユの自宅の庭のカミーユ・モネと子ども」、そしてミレーの「馬鈴薯植え」の3点である。私はこれまでにも述べたように、ゴッホが好きである。しかし、ミレーの「馬鈴薯植え」も実は好きである。私はこの2点からどちらかを選ばなければならなかった。中身は同じだが、2冊買ってしまおうか・・・とも思ったが、最終的にはゴッホの表紙の図録を購入した。それにしても、表紙を3種類も用意しておくなんて、少々ズルイ気がするのは私だけだろうか?
シンタ
広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

w

%s と連携中