コペンハーゲンとハリスツイード

クリスマスシーズンのスウェーデン・マルメにて

10月の欧州出張からそう日も経たないうちに、再びスウェーデンに出張であった。今回は11月30日(水)から12月6日(火)までの5泊7日で、この出張はこれまでとは少々シチュエーションが違った。というのも、私は毎年10月にスウェーデンへ出張することはあったが、12月に訪問したことは今まで一度も無かったのである。そこで驚いたのがまず気候の違いである。とにかく「寒い!」の一言に尽きる。実際の温度は(たぶん)摂氏3度程度なのでそれほど寒いわけではないが、この時期の天気はとても変わりやすく、雨と風のせいで体感温度は更に厳しくなり、身体が凍ってしまうほどである(ちょっと大げさか・・・)。

ご存知の人も多いかと思うが、とにかくこの地域では悪天候が招く「自殺者」や「うつ病者」が多く存在する。今回の滞在中もほとんどが雨と強風で、できれば外に出たくない、とさえ思えるような悪天候だった。朝は9時近くにならないと明るくならず、夕方4時には日が暮れてしまう、季節柄とヨーロッパ特有のこの天候の中では、やはり前に述べたように「うつ病」にもなってしまうことなど不思議ではないと思った。そして、そんな状況がついに私の体調までも崩しにかかってきた。

ある寒い雨の日のこと、私はついに寒さと疲れから熱を出してしまい、それでもアポをキャンセルすることができず、私は芯から冷え切った自分の身体を温めるため、牛乳を使ったスープ(コーンスープやクラムチャウダー系)をコペンハーゲン駅構内のカフェやレストランで探した。しかし悲しいことに1件もスープを置いている店が見つからなかった。そこで私はふと思った。こんなに寒い国に住んでいるのにもかかわらず、スープがないなんて一体全体どうなっているのか、と・・・。仕方がないので駅を出て街中のレストランでスープを探した。やっとの思いで見つけたレストランはあいにくの混雑ぶり。仕方なく店を出て、再びスープを求めてさ迷い歩く。私は一体何をしているのだろう???などと自問自答しながらフラフラと街を歩く。しかし私は雨と風と寒さに勝てず、それ以上歩くことを止め、ついには近くのレストラン(ステーキハウス)に飛び込んだ。意外と早く席に案内してくれたが、メニューを見てこれまた驚き。スープが一種類しかなく、しかも牛乳系スープではなかった。その頃にはすでに牛乳系スープはあきらめていたが、それにしてもこれほどまでにスープの品揃えが悪いとは思いもよらなかった。日本であればどこででもいただける牛乳系スープを手に入れるのがこんなに大変なのかといぶかった。

そして、長くもあり短くもあった出張も終わりに近づき、コペンハーゲン(デンマーク)空港で成田行きの飛行機を待つ間、4時間ほどのフリータイムがあったので、荷物をさっさとチェックインさせ、電車に乗ってコペンハーゲン駅へと向かった。

コペンハーゲンのチボリ公園入り口

コペンハーゲン駅を降り、チボリ公園を横切り、賑やかな繁華街を抜け、運河に沿って歩くと、両側にはレストランやアンティークストアなど、それはとても鮮やかな色彩の建物が建ち並んでいる。そう、そこは「ニューハウン」と呼ばれる地域で、現地の言葉で「新港」という意味らしい。その昔は船乗りが来る居酒屋街として賑わいを見せていたとのことだが、確かに今でもそんな雰囲気が残っている。デンマーク出身の有名な童話作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセン(人魚姫、マッチ売りの少女、みにくいアヒルの子などが有名である)もこの地域をとても気に入っていたことでも知られている。皆さんもコペンハーゲンを訪れたら、ぜひここには立ち寄ってもらいたい場所である。

コペンハーゲンのニューハウンにて

余談だが、運河沿いに出店が多く出ており、そこでハリスツイードのハンチング帽を購入した。DKK700.00だったので、単純に計算すると約9,800円である。生地がしっかりしており、色や柄も大変気に入った。そして、何よりもこれが自分に似合うということである・・・(自画自賛)。

シンタ