今年は後半から海外出張が多く、今月の11月も2日(土)から10日(日)までガーナへと出張である。また、ガーナからの帰途、コペンハーゲンにも2泊することになっているため、通しで13日間の出張となった。
11月2日、まず私はガーナ・アクラに向かうべく、成田空港からBA(ブリティッシュ航空)に乗り込んだ。最初の到着地はロンドンヒースロー空港である。この日はロンドンで1泊である。正直、できればこのまま目的地のガーナ・アクラまで行きたかったのだが、残念ながら経由する航空機は既に飛び立ってしまっていたため、明日でないとトランジットができない状況だったのである。そんなことで、ヒルトン・ヒースローターミナル5というホテルに宿泊することになったのだが、利便性がとても悪く、シャトルバスを利用しないとホテルまで行けず、逆に空港に戻ってきたい時ももちろんシャトルバスを利用しなければならい。しかも1時間に3便ほどしか走っておらず数が少ない。他に空港と徒歩圏内で直結しているホテルもあったのだが、今回は1泊だけだったので渋々そのホテルに宿泊することにした(変更するのが面倒だったので・・・)。
ホテルに到着したのが夕方4時過ぎ。疲れてはいたが、せっかくフリーの時間があったので、ヒースローエクスプレスと地下鉄を乗り継いてピカデリーサーカス駅まで行き、周辺を散策し、そしてそこから徒歩10分程度のところにあるロンドンナショナルギャラリーまで歩いて行った。残念ながらナショナルギャラリーは午後6時で閉館なので、私が着いた時にはすでに美術館は閉まっていた。しかし、外観だけでも見ることが再びできたことは嬉しい限りである。それからまっすぐWhite Hall通りを15分ほどビックベンに向かって歩いた。夜も7時すぎだったので、向かい風が思いのほか冷たく、歩いているにもかかわらず、なかなか体が温まらない。それでも折角来たのだから、ということでビックベンとロンドンアイ(観覧車)をウェストミンスター橋から眺め、何枚も写真を撮影した。そして、十分に景色を堪能すると、ウェストミンスター駅からホテルのあるヒースローターミナル5駅まで45分ほどかけて戻っていった。そしてホテルに戻ると、軽く夕食をホテル内のレストランで摂り、そして翌日の出発に備えた。
翌日は遅めの朝食をとり、そして昼前にシャトルバスに乗り、空港出発ロビーへと向かった。その後、ヒースロー空港からアクラへ向かう便に乗り込むと、再びロングフライト(6時間半)が待ち構えていた。すでに成田からロンドンの11時間以上のフライトで嫌気がさしていたが、ホテルのベッドで昨夜は寝れたので、まあ、まだ救いではあるが。
さて、時差ボケもすでに出始めている私の体は正直で、飛行機に乗り込と、すぐさま深い眠りへとついて行った。そして、到着1時間ほど前に目が覚めた。それからほどなく飛行機がアクラ空港に到着すると、宿泊先ホテルNovotel Accraのシャトルバスのドライバーが迎えに来ていた。他にも宿泊客が到着する予定らしく、すぐには出発せず、20分以上も空港ロビーで待たされた。その時、既に時刻は夜9時30分を回っていた。早くホテルについて寝たい・・・、と内心本気で懇願していた(あんだけ飛行機で寝ていたにもかかわらず・・・(ーー;))
他の客とやらがなかなか来ないので、一度、シャトルで私たち一行をホテルに連れて行ってくれと頼んだ。すると、ドライバーが知り合いのタクシー運転手を捕まえて、私たちを先にホテルへ送るように手配してくれた。なかなか粋な計らいだね~。
しかし、このタクシードライバーがとんでもなくふざけたヤローだったことは、この時点では知る由もなかった。私たちは荷物をトランクに詰め込み車に乗った。ガーナは日本とは反対の左ハンドル右側走行である。私はドライバーの後ろの席に座っていた。仕事仲間も一緒も同乗しており、後部座席は私ともうひとり座っており、荷物がトランクに入りきれなかったため、二人の間にもスーツケースが積み込まれており、お互い顔すら見えない状況で座っいた。
車が走り出して5分ほどすると、舗装された綺麗な道路が目の前に広がった。さすがに夜10時近いこともあり、車の数はまばらであった。私は夜のアクラの街の景色を窓を開け放しながら楽しんでいた。すると突然、大型トラックが私たちのタクシーの前に入ってきた。さすがに私たちのタクシードライバーが中指立ててトラックドライバーに「Fu** Fu**!!」と叫びながら中指を立ててまくし立てていた。すると予測もしなかった最悪な事態が・・・。
交差点で信号が赤になったのである。トラックもタクシーも共に横並びに信号待ちのため停車。我がタクシードライバーは「割り込んで入ってくるんじゃねー!Fu**!!」と叫びながら、ボディーランゲージで「降りて来いよ!かかってこいよ!」と言わんばかりに相手を挑発。はじめは車の運転席からの口論だけだったが、そのうちにトラックドライバーが激怒しはじめ、そしてもの凄い勢いで本当にトラックから降りてきたのである(゚д゚lll)ギョエー。
残念だったのは、我がタクシードライバーは背が低く、体つきも貧弱で、私でも左手だけで勝てそうな弱々しい50代半ばのおじさん。それに引き換え、トラックから降りてきたドライバーは、見るからに身長190cmはあるであろう大男。しかもマッチョタイプの欧米人風のおじさんで、タクシー一台をそのままひっくり返せそうなほどの体型の持ち主であった。この時点で私はどちらに勝算があるかを見極めることができた。
トラックドライバーはすぐさまタクシードライバーまで走り寄り、開いていた窓から左手を車内に突っ込み、ドライバーの胸ぐらをしっかりと掴むと、窓側にできるだけ引き寄せ、そして桜島大根のような腕っ節でドライバーに向けて何度も顔面パーンチ!顔面パーンチ!!顔面パーンチ!!!((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
勝ち目が無いと分かった我がタクシードライバーは信号が青に変わった瞬間、アクセルを踏み込みトラックドライバーを振り払った。
タクシードライバー「へへへ!ふざけんな、馬鹿野郎!!(←たぶん、こんなこと言ってた気がする)
トラックドライバー「待ちやがれ!(と言いながらタクシーの後ろのバンパーを破壊する強烈な音が聞こえた・・・(゚д゚lll)ギョエー)」
タクシードライバー「(振り切った後、もの凄い勢いで車を走らせながら私たちに向かって)アイツ、クレージーだ!クレイジーだ!!ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッ・・・・」
ようやくトラック運転手の「顔面パーンチ!」から逃れることができた情けない我がタクシードライバーはまだ興奮冷めやらずといった感じで、それからしばらくルームミラーをちらちらとチェックしながら、追いかけて来ていないだろうな・・・という焦りを見え隠れさせつつ、私たちにはちょくちょく振り返りながら「あいつはクレージーだ!ドラッグやってるんだ!酒飲んでるんだ!」などと、奇声に近い声でいつまでも叫んでいた・・・そう、鼻血を出しながら・・・(+。+)
それでもなんとかホテルに無事到着すると、荷物をおろし、チェックインカウンターへと向かおうとしたとき、ドライバーが近寄ってきて手を出した。チップが欲しいのだろう。しかし、あれだけ私たちに不快感を与えておき、下手すればこちらまでボコボコにされていたかもしれない(私もドライバー後部席に座っていて、しかも窓開けてたし)。まあ、ご想像どおり、チップは払わず、これからは言動に気をつけるべきだと注意だけしておいた。それにしても、顔をボコボコに殴られ、鼻血まで出し、さらに車のバンパーは破壊され、到着してもチップはもらえず、おまけに客には叱られ・・・タクシードライバーも踏んだり蹴ったりである。
そして翌日からアクラでの仕事が始まった。ここ、ガーナで会議を開催するために私ははるばる日本からやってきたのである。
5日(火)まではアクラのNovotel Accra Hotel内で会議を開催し、宿泊も同ホテルであったが、6、7日の2日間はアクラから車で西に3時間ほど走らせた小さな町、ケープコーストでに移動した。ここにはUCC (University of Cape Coast)がある。キャンパス内は車で移動しても結構な敷地の広さを持っているため、徒歩はツライ。しかも気候がこの時期でも30度はある。今回の出張ではこの大学にも多少関係している内容なのだが、ここではその話はスキップしておこう。
ケープコーストで宿泊したのがCoconut Grove Beach Resortというリゾートホテルである。「リゾートといってもねぇ、ガーナだし・・・」と思っていたが、実はものすごく良いところだった。今年2月にアフリカのケニア(モンバサ)、タンザニア(ダルエスサラーム)、そしてガーナ(アクラ及びケープコースト)を訪れたことは以前のブログにも書いたが、その際、ケープコーストを訪問した時に宿泊したのは今回のCoconut Groveではなく、Elimina Beach Resort Hotelというところだった。その時のホテルの酷さは以前のブログを見てもらえばわかるが、その記憶が後遺症となり、脳裏に未だに残っていたため、Coconut Groveも大したところではない、と思ってしまったのだ。しかし、蓋を開けてみれば何とも素晴らしいところで、CoconutとEliminaはそれほど離れた場所に立地しているわけではないので、もしケープコーストで宿泊するのであれば、間違いなくCoconut Grove を強くオススメする。絶対Coconut Grove!!
さて、8日早朝、再びアクラのNovotelに戻るためケープコーストに別れを告げて、この地を後にした。
そしてアクラに戻ると、再びアクラでの会議に精を出し、そして10日(日)の夜、アクラ発ロンドン行きのBA便に乗り、ガーナを去った。経由地のロンドンには早朝に到着し、それから再びコペンハーゲンへと向かうべく飛行機に乗った。11日(月)の昼頃にはようやくコペンハーゲン空港に到着したのである。
それから、翌12日(火)は、とあるシンポジウムに参加し、翌13日(水)には再び飛行機でコペンハーゲン空港からロンドンヒースロー空港へ行き、そこで乗り換え、やっとのこと成田行きのJALとBAのコードシェア便で14日(木)の夕方に成田に到着したのであった。
この2週間弱の出張で6回も飛行機に乗ったことになる。飛行機嫌いの私だが、この短いスパンでこれだけの回数をこなすと、結構慣れてくるものだなぁ、と感じた今回の出張であった。
シンタ