雪の日のフェルメール展

2月17日(金)、またしても雨・・・じゃなくて「雪」。どうして私が美術館に行こう、と予定している日は必ずと言っていいほど天気が悪いのだろう?

(もしかして雨男だったりして・・・( ̄□ ̄|||)ガーーン!)

今日は仕事帰りに渋谷のBunkamuraで来月半ばまで開催されている「フェルメールからのラブレター展」を観にいった。有名どころの彼のマスターピース3作品、「手紙を読む青衣の女」、「手紙を書く女」、そして「手紙を書く婦人と召使い」が贅沢にも一堂に展示されており、フェルメールファンの私としては、大変嬉しいイベントである。今回の3作品に共通するのは「女性」と「手紙」である。彼の描き出す繊細な作品には必ず物語が存在し、そして今回の3点の作品も同じくそれぞれに物語が潜んでいる。3作品とも室内で描かれており、やわらかい日差しが室内に入ってくる、まさに「光の画家」と異名をもつ彼ならではの作品である。

「手紙を読む青衣の女」では黄変した古いワニス(透明な上塗り剤)を取り除く作業が行なわれ、本来のフェルメールブルーを取り戻し、そして今回の「フェルメールからのラブレター展」で世界で初めてのお披露目となった大変貴重なものである。同作品には高価なラピスラズリを砕いた顔料をがふんだんに使用されており、また、この作品以外にも数多くフェルメールの作品に同顔料を含んだ絵の具が使用されており、この事実からも、かなり裕福な環境下で彼は作品を描いていたことがわかる。

これまでに日本人に親しまれてきたフェルメール作品は数多く、そして来日した作品も数多い。私は国内だけでなく、ロンドン・ナショナルギャラリーで2点ほど彼の作品を観にいったこともあるので、これまでに出逢った彼の作品は全部で13点。ご存知の方も多いと思うが、彼の作品は30数点ほどしか確認されておらず、そのうちの半数近い13点を私はすでに観たことになる。こうなると、残りの作品すべてを制覇したくなる。特に彼の故郷であるオランダにはいつか絶対に訪れたい。そして彼の作品の多くが所蔵されている「マウリッツハイス美術館」や「アムステルダム美術館」そして美術館ではないが、彼の故郷であるデルフトにある「フェルメールセンター」、また彼の生きたデルフトの街でフェルメールの足跡を辿ってみたい。

これまで私が観ることのできたフェルメールのマスターピース13点を忘れないよう、以下に記録しておきたいと思う:

2008年「フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち(東京都美術館)」

1.マルタとマリアの家のキリスト

2.ディアナとニンフたち

3.小路

4.ワイングラスを持つ娘

5.リュートを調弦する女

6.手紙を書く婦人と召使い

7.ヴァージナルの前に座る若い女」

2009年「ルーブル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画(国立西洋美術館)」

8.レースを編む女

2009年「ロンドン・ナショナルギャラリーにて」

9.ヴァージナルの前に立つ女性

10.ヴァージナルの前に座る女性」

2011年「《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展(Bunkamuraザ・ミュージアム)」

11.地理学者

2012年「フェルメールからのラブレター展(Bunkamuraザ・ミュージアム)」

12.手紙を読む青衣の女

13.手紙を書く女

※「手紙を書く婦人と召使い」は2008年にすでに観賞しているためカウントせず。

デルフトの眺望

残念ながら私の一番のお気に入りであるフェルメールの「デルフト眺望(マウリッツハイス美術館所蔵)」は調べる限り日本来日はこれまでもなく、もちろん私も観た事がない。ぜひとも同作品が所蔵されているマウリッツハイス美術館で贅沢に独り占めしながら観てみたいものである(海外の美術館は日本とは違い、人が少なく、思う存分絵画を楽しむことができるからである)。

マウリッツハイス美術館と言えば、今年、2012年から大規模な改修工事が施工される。この工事に伴い、フェルメール作品の中でも代表的な「北のモナリザ」と呼ばれ親しまれてきた「真珠の耳飾りの少女」や、フェルメール初期の頃の作品、「ディアナとニンフたち」、そしてレンブラントの自画像など、約50点ほどが一挙に日本にやってくる。これは、2年間の大規模な改修作業を終え、今年4月にリニューアルオープンする上野の「東京都美術館」で6月30日から9月17日まで開催される「マウリッツハイス美術館-オランダ・フランドル絵画の至宝-」にてお披露目されることとなる。「ディアナとニンフたち」は2008年8月に同じ東京都美術館で開催された「フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち」で出展された作品であり、私もすでに観た作品である。そしてもう一点来日予定のフェルメール作品は今回の絵画展の目玉ともいえる「真珠の耳飾りの少女」である。日本初来日の作品ではないらしいが、私はまだ観た事がないので、今から楽しみである。今年もフェルメールに会えるいい1年になりそうだが、リニューアルした東京都美術館の同絵画展へ行く日は雨が降らないで欲しい、と願う「雨男(?)」であった。

シンタ